メッセージ

“役所の理屈”を乗り越え、納得感ある市政を。

誰のための、何のための市政か

 市議に当選させていただいてから、12年が経ちました。

 まちづくりの活動を進める上で、「ひとの意識を変えなければまちは良くならない」との思いで、金融経済教育を基にしたキャリア教育を進め、NPOでの活動は高い評価をいただきましたが、それは大館の地域力があってのものでした。ほかの都市では真似が出来ないのです。私は地域の皆さんが、将来を担う子供達のためには協力を惜しまないことを再認識しました。

地域行事を手伝うことで郷土愛を育む

 そうした成果をぜひ行政に引き継いでもらいたいと市議になった訳ですが、実現には数年を要しました。
 しかし行政は目標を持つと強いもので、「ふるさとキャリア教育」として全市で展開。全国的な受賞が相次ぎ改めて地域の潜在力を感じました。

 ただ目的と手段が途中から逆になってしまうことはよくあることですから、盛り上がっている時ほど注意が必要です。
 現在の方法が「誰のために」「何のために」行っているのかを常に検証、改善し続けるべきと思います。これは行政の他の施策についても同じことが言えます。

諦めなければ、道は拓ける

 12年前には、街の玄関である大館駅前の状態を改善したい、とも訴えました。当時は「これまで誰も出来なかったのだから、出来るはずがない」と笑う方もいました。

 観光振興による地域活性化も大きなテーマであったため、廃線となる小坂鉄道を活用出来ないか、議会内に勉強会を作っていただきましたが、ハードルはかなり高く夢物語でした。

 しかし東日本大震災がきっかけで始まったレールバイク事業が軌道に乗ったことで用地交渉が始まり、結果的に大館駅前の広大な敷地もセットで市に譲渡、停滞していた県補助事業「あきた未来づくりプロジェクト」が再始動。5月には「秋田犬の里」として新たな大館観光が始まることになります。さらにこれが契機となりJR大館駅の改築議論につながり大きな前進となりました。

今後「秋田犬の里」をどう活用するか

 なおレールバイク事業はNPO法人として実施していますが、元々県や市、町との協働で観光庁の社会実験として始まったものであり、「稼げる観光」への実証実験の要素が多分にあります。観光は産業政策であるべきです。

 旧小坂鉄道の活用は、十和田湖ー小坂町の観光ラインを大館、そしてその先に繋げる布石であり、一連の流れが出来れば中心市街地への誘客も夢ではありません。

市議を12年間やってわかったこと

 これまで多くの提案や、市民の皆様からいただいた要望・苦情なども市当局に繋げて参りましたが、一朝一夕にいかないものも多くあります。

 「出来ない理由」の多くは「財源(不足)」なのですが、この12年間で感じたことは、行政特有の「理屈」「仕組み」「意識」が強く働いており、市民ニーズに素早く柔軟に応えられていないということです。これが市民と行政の「感覚のズレ」です。

 「たったこれだけのことが、なぜすぐ出来ないのか」とお叱りを受けることも多々あります。共感することが多いのですが、行政には行政の「理屈」があり、良くも悪くもそれも納得出来るようになった自分があります。

 しかし市民生活でも、行政でも数多くの難題課題を抱えている中では、「役所の理屈」をいかに乗り越え、市民の負託に応えられるか、「知恵と工夫」が求められていると思います。

 人口減少を嘆く傍らで、人口が増加している自治体もあります。従来通りのことをやっていてはダメなことは明白です。

 暮らしやすい街を作ること、市民が納得できる施策をいかに多く打ち出すかが、今の大館市政に求められているのではないでしょうか。